プライベート・エクイティ入門

プライベート・エクイティ(非上場株式)とは?

広大な市場における投資機会

世界には数多の企業がありますがその多くが非上場企業であり、プライベート・エクイティ(PE)投資には豊富な投資機会が広がっています1過去数十年に亘り、ファミリーオフィスやその他の機関投資家を中心に、運用資産における相当な部分をプライベート・エクイティ投資に割り当ててきましたが、個人投資家にもその裾野が広がっています2

市場平均を上回る運用成績

プライベート・エクイティは長期的に見るとボラティリティが相対的に低く、上場株式の運用成績をアウトパフォームしてきました3。投資資産の分散とリターン向上を求める個人投資家にとって、プライベート・エクイティはポートフォリオの中核に据えることができる資産クラスと言えます4

価値創造

プライベート・エクイティの投資運用会社はその幅広い価値創造能力を活用し、投資先企業の長期的な成長可能性を引き出す支援を行います。これにより相対的に高いリターンの創出に繋がる可能性がありますが、投資家はこの「非流動性プレミアム」5を追求する一方で、解約・換金性がある程度制限されます。

プライベート・エクイティの特徴

プライベート・エクイティ戦略では、創業直後の発展段階にある成長企業から成熟期の大企業に至るまで、あらゆる業界や地域に属する非上場企業に投資します。非上場企業はグローバル経済において重要な部分を占めており6、多くの上場企業のように株価の変動に焦点を当てるのではなく、より長期的な視点に立つことができます。

プライベート・エクイティ投資家は、経営陣の刷新、経営やオペレーション及び財務の再構築を含む、積極的な経営への関与と価値創造戦略を通じて、これらの企業の成長を支援します。

投資先企業の収益成長とマルチプル拡大の好機を捉えて資産売却することで、プライベート・エクイティ投資は過去の実績に鑑みても魅力的なリターンを創出しています7

上場市場における投資機会を大幅に上回る
プライベート市場8

収益別の内訳:プライベート企業は世界経済の重要な部分を占めています9

ここに記載されたトレンドが継続する、あるいは反転しないという保証はありません。過去の出来事およびトレンドは将来の出来事あるいは結果を暗示、予測、保証しません。また、必ずしもそのとおりになると示すものではありません。本ページに掲載された時点のブラックストーンの現在の市場環境に関する見解を表します。

長期的な投資

投資家は流動性の低い投資においては、流動性の高い株式から得られる以上のリターンを求めます10。こうした価格の上乗せを『非流動性プレミアム』と呼びます。目下、個人投資家が一定の期間毎に解約・換金できるよう設計された準流動性ファンドも登場していますが、プライベート・エクイティは依然として長期的な投資を目的とした資産クラスであることに変わりありません。プライベート・エクイティは、長期的に見ても上場市場と比較してボラティリティが低く、堅調にアウトパフォームしてきました。

10万米ドルを投資した場合の推移
(2007年-2023年)

出所:ケンブリッジ・アソシエイツ、2023年12月31日時点。

注:世界金融危機を通したパフォーマンスを捕捉するため、2007年1月1日に10万米ドルを投資した場合の2023年3月31日までの累積リターンの成長率を表しています。過去の実績は将来の収益を予測するものではありません。『プライベート・エクイティ』は、バイアウト・ファンド、セカンダリー・ファンド、グロース・エクイティ・ファンドで構成されるケンブリッジ・プライベート・エクイティ指数の累積リターンで表しています。『上場株式』は、MSCI ACWI指数のケンブリッジ修正パブリック・マーケット・エクイバレント(PME)分析で表されます。従って、プライベート・エクイティと指数のパフォーマンス比較は、ケンブリッジ・プライベート・エクイティ指数のIRRと、該当する上場指数の仮想のPMEのリターンのパフォーマンスの差に基づいています。仮想のPME指数のパフォーマンスは、PME分析によるキャッシュフローのタイミングの調整により、同期間における当該指数のパフォーマンスと大きく異なる可能性があります。パブリック・マーケット・エクイバレント(PME)分析は、ケンブリッジ・グローバル・プライベート・エクイティ指数のキャピタル・コールまたは分配によるキャッシュフローの日付と金額を、上場市場の指数(ラッセル2000、S&P500など)で再現するものです。これらのキャッシュフローが生み出す仮想のリターンは、PME指数のIRR算出に使用される四半期末の仮想PME基準価額を用いて、上場市場の指数のパフォーマンスを追跡します。したがって、ケンブリッジ・グローバル・プライベート・エクイティ指数と指数のパフォーマンス比較は、ケンブリッジ・グローバル・プライベート・エクイティ指数のIRRと、該当する上場指数の仮説的なPMEのIRRとのパフォーマンスの差に基づきます。

仮想PME指数のパフォーマンスは、キャッシュフローのタイミングのため、当該指数の同期間のパフォーマンスとは大きく異なる場合があります。指数は例示のみを目的として提示されており、PME調整を含む指数との比較に依拠することには、重大なリスクと制限があります。

プライベート・エクイティを
ポートフォリオの中核に据える

プライベート・エクイティは従来は非流動的な資産クラスであり、プライベート・エクイティ投資運用会社が投資先企業の価値創出に必要な長期の投資期間(通常7~10年以上)に適応出来る年金基金や大学基金等の機関投資家が主に活用してきました。

長年にわたり、プライベート・エクイティをポートフォリオの中核部分としてきた機関投資家

注: 平均的な大学基金については、Preqin Institutional Allocation Study 2024をご覧ください。平均的なファミリーオフィスについては、UBS Global Family Office Report 2024をご覧ください。個人配分平均については、業界の中低単位数字のオルタナティブ投資配分推定は、べイン&カンパニーのGlobal Private Equity Report 2023に基づいています。3%の配分にはすべてのオルタナティブ投資が含まれており、その中でプライベートエクイティは一部に過ぎません。

投資先企業の価値を引き出す13

プライベート・エクイティ投資運用会社には大きく分けて3つの価値創造能力があります。

長期的なビジネスの変革

優良企業を次なる次元に引き上げることを目指し、時間をかけて成長可能性を引き出す

優秀な経営陣の構築

多くの上場株式投資家にとっては難しい、経営陣の強化または刷新を実現することが可能

投資先企業間におけるシナジー

規模の大きな運用会社は、業務上の専門知識やネットワークを活用することで投資先企業間のシナジーを創出し、業績向上に寄与

プライベート・エクイティ運用会社が価値創造のために用いる手段

  • 情報優位性

  • 長期的な関与

  • 経営への参加

  • 強力なガバナンス

  • 案件発掘力

事例

Refinitiv(リフィニティブ):価値創造事例14

リフィニティブは、トムソン・ロイター社の財務・リスク部門からカーブアウトされた、金融・経済データ、ニュース、分析、ワークフロー・ソリューションを提供するプラットフォームです。

ハイライト:

  • ブラックストーンのオルタナティブ投資経験を活用して新商品を開発し、またブラックストーンとの関係を活用して販売を促進
  • 2019年に電子取引を手掛ける子会社Tradewebが上場しスピンオフすることで180億米ドルを調達。株主価値を向上
  • 経営陣の刷新と組織構造の合理化
  • 2021年1月にリフィニティブはロンドン証券取引所グループと統合し、世界有数の金融データ及びインフラプロバイダーの誕生を実現

注: 2021年2月時点。ブラックストーンが部分的なエグジットを行った日のデータを反映。過去の実績は将来のリターンを予測するものではありません。オルタナティブ投資が、その目標を達成する、あるいは著しい損失を回避する保証はありません。ブラックストーンのファンドや投資がその目標を達成する、あるいは著しい損失を回避するという保証はありません。上記の事例は、特定の種類の全ての投資または投資一般を代表するものではなく、また、いかなるブラックストーンのファンド、投資、取得も、将来的に同等の、または同様に成功する投資を行うと想定するべきではありません。上記の投資は既存のブラックストーンのファンドによって行われており、あくまで参考目的で提供されています。

  1. Capital IQ、2023年11月。米国、欧州、アジアの非上場企業および上場企業のうち、2023年、2022年、または2021年度の売上高が2億5,000万米ドルを超えると報告した企業の比率です。(Capital IQの企業データベースによる)。
  2. プレキン、 UBS、べイン& カンパニー、2023年時点(最新のデータ)。
  3. モーニングスター、ケンブリッジ・アソシエイツ、2023年12月31日現在。プライベートエクイティはケンブリッジ・アソシエイツ米国プライベート・エクイティ指数で表され、パブリックエクイティはS&P 500指数で表されます。リターンは1987年1月1日から2023年12月31日までの四半期リターンを使用して計算され、期間中に年率化されています。
  4. 分散投資は利益の獲得や、市場下落局面における損失回避を保証するものではありません。
  5. 資本はリスクにさらされており、投資家は元本を回収できない可能性があります。
  6. 注1をご参照ください。
  7. 注3をご参照ください。
  8. Capital IQ、2023年11月。米国、欧州、アジアの非上場企業および上場企業のうち、2023年、2022年、または2021年度の売上高が2億5,000万米ドルを超えると報告した企業の比率です。(Capital IQの企業データベースによる)。
  9. Capital IQ、2024年8月。米国、欧州、アジアの非上場企業および上場企業のうち、2023年、2022年、または2021年度の売上高が2億5,000万米ドルを超えると報告した企業の比率です。
  10. オルタナティブ投資は一般的に流動性が低く、流動的なセカンダリー市場や購入者が存在しない場合があります。
  11. リターンは年率換算され、手数料を差し引いたものです。
  12. 年率化されたリターンは、2007年1月1日から2023年12月31日までの期間にわたって年率換算されて示されています。
  13. いかなる投資にも大きなリスクが伴うため、投資家は投資した全額を失うことを許容できる場合にのみ投資を行うべきです。投資目的やパフォーマンスの達成について保証や確約はなく、投資額の一部または全部を失う可能性があります。
  14. 本ページに提示または参照されている投資事例や取引概要は、特定の種類の取引または投資一般を代表するものではなく、当該ファンドがその投資戦略を採用するにあたって行われた、または行われる投資の種類を例示することを目的としています。当ファンドが将来同様に投資を成功させる、または同様の投資を実行すると想定するべきではありません。また、当ファンドまたはその他のファンドの将来の投資は本ページにて示されているもしくは参照されている投資と異なる市場環境で実行されるものであり、様々な要因により本ページで提示した投資と著しく異なる可能性があります。投資を検討しているお客様は、ここに提示または参照されている選択された投資事例や取引概要に関与したブラックストーンの担当者の中には、今後のファンドの管理と運用に関与する者と関与しない者がいる点にもご注意ください。本ページに例示した投資対象は、ブラックストーンが管理する投資ビークルやその他第三者エクイティ・パートナーによって保有されているものがあり、ブラックストーンが保有する株式が過半数に満たない場合もあります。投資についてさらに詳細な情報をご希望の場合は、お問い合わせ下さい。

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