プライベート不動産入門

プライベート不動産とは?

広大な投資機会

不動産は、株式、債券に次いで3番目に大きな資産クラスです。しかし個人投資家によるポートフォリオへの平均組み入れ比率は低位に留まっており1、機関投資家よりも大幅に低いのが現状です2

魅力的なリスク・リターン特性

プライベート不動産は、インカム収入とキャピタル・ゲインが期待でき、インフレへのヘッジ3としても有効な手段になりうるほか、株式や債券との値動きの相関性も低いという特徴があります4

投資先の選定が重要

投資先セクターと運用会社の選定が非常に重要です。プライベート不動産からリターンを得るには、大きな成長可能性を持つ質の高い資産に投資することが重要です。

プライベート不動産とは

プライベート不動産投資では、倉庫から集合住宅、オフィス、ホテル、小売りなど多岐にわたる業種にて主にインカム収益を生み出す不動産に着目します。新築・中古住宅の分譲住宅市場は対象外です。

データセンター

物流施設

賃貸住宅

9割を超える不動産が非上場であり5、その投資機会は上場不動産の数倍規模に相当します。一方で個人投資家のポートフォリオ1 に占める不動産の割合は平均して3%に満たないのが現状であり、この背景には、投資家のアクセスが閉ざされていたこと、投資先へのより深い理解が重要となることが挙げられます。こうした個人投資家と機関投資家の配分の差も足許では変化しつつあります6

プライベート市場が可能にする不動産への投資
米国の不動産7

個人投資家による配分は著しく少ない
不動産への平均配分8

プライベート不動産を選択する主な理由

ポートフォリオ分散のメリット

過去数十年に亘って、個人投資家は上場リートを通じて収益不動産に投資してきましたが、プライベート不動産への投資は株式や債券との相関が低いなど、ポートフォリオの分散効果があります。過去の実績では相対的に優れたリスク・リターン特性を有しています9

インカム収入とインフレ

プライベート不動産は投資家にとって安定した収入源となり、過去20年のうち16年間の年間利回りが4%を超えており、3%を下回ったことは一度もありません10。また、プライベート不動産の収益率は一般的にインフレ率を上回っています。

不動産収益率は概ねインフレ率を上回っている11
1996年を100として指数化

低い相関

不動産は株式や債券との相関が低いため、ポートフォリオの分散に大きなメリットをもたらし得ます9

プライベート不動産を活用した分散効果12
過去20年間 (2004年‐2023年)

魅力的なリスク調整後リターン

プライベート不動産の過去の動きでは、上場リートや株式よりもボラティリティが非常に低い一方、比較的魅力的なリターンを有するという特徴があります。

魅力的なリスク・リターン特性13
過去20年(2004年-2023年)、年換算

投資先の選定が重要

プライベート不動産に投資する際、最適なセクター、市場、資産を選定することが高いパフォーマンスを創出するために重要になることがあります。長期的にも追い風があり、大きな成長可能性が期待できる優良資産に投資することが重要です。

例えば、eコマースの台頭14、住宅供給不足、クラウド・コンピューターや人工知能(AI)の伸長など、主要なトレンドを見極めて資本を集中させることを意味します。

運用会社の選択も非常に重要です。ブラックストーンは30年以上の実績を有する世界最大級の不動産の所有者であり、個人投資家と機関投資家の両方にサービスを提供しています15

すべての不動産が同等のリターンをもたらすわけではない16
累積パフォーマンス(2008年~2023年)

すべての不動産が同等のリターンをもたらすわけではありません。どこに投資するかが重要であり、金利環境が相対的に厳しい場合でも、適切なセクターに投資することで差別化されたリターンを得ることができます。

ジョン・グレイ

ブラックストーン社長兼最高執行責任者(COO)

プライベート市場への投資を通じて価値を引き出す

プライベート不動産の運用会社は上場市場の影響を受けにくいため、上場リートよりも柔軟に確信度が高い分野に投資し、複雑な取引を実行することができます。上場市場の運用会社は期待される収益を四半期毎に達成しなければならないプレッシャーに晒される可能性がある一方、プライベート市場の運用会社は長期的な価値創造の機会を追求することができます。

ケース・スタディ

確信度の高いテーマ別投資:QTSデータセンター

データ生成急増の機を捉える
生成、消費、保存されるデータ(ゼタバイト)

データセンターを所有する上場リート「QTSリアルティ・トラスト」の非上場化(約100億ドル規模)は、データ量の増加という長期的なトレンドを追求した事例であり、これはブラックストーンの確信度の高いテーマへの積極的な投資姿勢を示しています。実際、2021年から2023年までの3年間で、過去すべてのデータ量の合計を上回るデータが生成されました17

eコマースが倉庫の需要を牽引したように、クラウド・コンピューターやコンテンツ作成、また足許ではAIも加わり、データ生成とその消費急増を牽引しています。ブラックストーンは、AIの台頭はデータセンターの今後の成長にとって一世一代の牽引役と考えており、非上場化を通じてQTSのプラットフォームの能力を最大限に引き出すことに注力しています。

  1. 「個人投資家」とは、ベイン・アンド・カンパニーの最新の利用可能な2022年12月31日時点のデータを反映しています。すべてのオルタナティブ資産を含んでおり、不動産はその一部に過ぎません。
  2. 「機関投資家」とは、Hodes Weill & Associates and Cornell Baker Program in Real Estateのデータを反映しており、2023年12月31日時点のものです。
  3. プライベート不動産はインフレ期間中も歴史的にはインフレ率を上回る成長を遂げてきました。いかなる投資にも大きなリスクが伴うため、投資家は投資した全額を失うことを許容できる場合にのみ投資を行うべきです。
  4. プライベート不動産のリターンは、グローバル株式、グローバル投資適格債、およびグローバル上場REITとは相関関係がほとんどありません。いかなる投資にも大きなリスクが伴うため、投資家は投資した全額を失うことを許容できる場合にのみ投資を行うべきです。
  5. 連邦準備制度、2023年6月30日時点。米国不動産市場を表しています。「上場REIT」は、2023年6月30日時点でのNAREIT Total Industry Trackerに含まれるすべての上場REITの合計を指し、木材、電気通信、および特殊なセクターを除きます。
  6. “State of the Market: Non-Traded REITs and BDCs”(2022年7月)、UMBファンドサービス
  7. 連邦準備制度、2023年6月30日時点。米国不動産市場を表しています。
  8. 「年金基金」と「大学基金」の数値は、Hodes Weill & Associates and Cornell Baker Program in Real Estateの2023年12月31日時点の数値を反映しています。「個人投資家」とは、ベイン・アンド・カンパニーの最新の利用可能な2022年12月31日時点のデータに基づきます。すべてのオルタナティブ資産を含んでおり、不動産はその一部に過ぎません。
  9. 分散化は利益獲得を保証する、または損失を回避するものではありません。
  10. 米国不動産投資受託者協会(NCREIF)、2023年12月31日までの20年間。NFI-ODCE指数を反映しています。本資料に記載されている日付時点のみにおけるブラックストーンの現在の市場環境に対する見解を表します。過去の実績は将来のリターンを予測するものではありません。ブラックストーンのファンドや投資がその戦略を実行できる、目標を達成する、あるいは著しい損失を回避するという保証はありません。本資料に記載されたトレンドが継続する、あるいは反転しないという保証はありません。提示されているパフォーマンス・データは、戦略のパフォーマンスではなく、指標のパフォーマンスを示しています。戦略からの分配は行われる保証はなく、また、資金の借入、募集代金、保有資産の売却や不動産債権投資からの支払いなどの営業キャッシュフロー以外の資金源から行うことがあります。また、これらの資金源から支払いを行う金額に制限を設けません。NFI-ODCEは運用手数料やアドバイザリー費用は除く、借入とファンドの経費を含むリターンを示しています。運用手数料およびアドバイザリー費用を差し引いたリターンは、実質的に低くなります。インデックスへ投資することはできません。
  11. 純営業収益(NOI)は2023年12月31日時点のグリーン・ストリート・アドバイザーズのデータを反映しています。2023年のNOI成長率は年末の推定値です(2024年4月2日時点)。消費者物価指数(CPI)は2023年12月31日時点の米国労働統計局のデータを反映しています。純営業利益(NOI)成長率は、集合住宅、物流施設、モール、オフィス、ショッピングセンターの各セクターの資産加重平均を均等加重平均した、NOIの年間平均成長率を表しています。集合住宅はアパートメント、ショッピングセンターは道路沿いの小売店舗を指します。消費者物価指数(CPI)は代表的な商品やサービスに対して都市の消費者が支払う価格の変動を示します。NOIは、インフレ率と相関がない、またはインフレ率に追従し続けない可能性があります。
  12. 過去の実績は将来のリターンを予測するものではありません。モーニングスター・ダイレクト、ブルームバーグ、米国不動産投資受託者協会(NCREIF)による2023年12月31日までの20年間にわたるデータに基づきます。本資料に記載されている日付時点のみにおけるブラックストーンの現在の市場環境に対する見解を表します。分散化は利益の獲得や、相場下落局面における損失回避を保証するものではありません。指数は一般的な市場パフォーマンスを示すものです。記載されている比較は情報提供のみを目的としたものであり、特定の投資を表すものではなく、ポートフォリオ配分を推奨するものではありません。相関は、ある投資対象が他の投資対象に対してどのようなパフォーマンスを発揮するかを示すもので、相関係数が+1の場合は完全な正の相関、-1の場合は完全な負の相関となります。2つの資産クラスの相関が+1の場合、両者は同じ方向に同じだけ上下します。逆に、相関が-1の場合は、一方の資産クラスが上下すると、もう一方の資産クラスも同じだけ逆方向に動くことを示します。一般的に、相関が0.70未満または-0.70を超える資産クラスは、比較的相関が低いと考えられています。プライベート不動産はNFI-ODCEで表されています。グローバル株式はMSCI ACWI指数(配当を含む)で表されています。グローバル投資適格債券はブルームバーグ・グローバル総合債券指数で表されています。グローバル上場REITはMSCI ワールド不動産指数で表されています。
  13. 過去の実績は将来のリターンを予測するものではありません。モーニングスター・ダイレクト、ブルームバーグ、米国不動産投資受託者協会(NCREIF)、2023年12月31日時点。本資料に記載されている日付時点のみにおけるブラックストーンの現在の市場環境に対する見解を表します。ブラックストーンのファンドや投資がその戦略を実行できる、目標を達成する、あるいは著しい損失を回避するという保証はありません。指数は一般的な市場パフォーマンスを示すものです。記載されている比較は情報提供のみを目的としたものであり、特定の投資を表すものでもなく、ポートフォリオ配分を推奨するものではありません。収益重視の個人投資家向けの利回り志向の米国コア+戦略(以下「戦略」)への投資は不動産への直接投資ではなく、手数料や費用、流動性、税務上の取り扱いに関するものなど、不動産への直接投資とは重要な違いがあります。戦略の一株辺りの純資産価値は、保有する不動産の資産価値に基づいているため(価値は変動する可能性があり、初期価格よりも低くなる場合があります)、市場価格の変動の影響を受けにくく、指数の価格とは違って、市場価格の影響を受けません。ただし、戦略の株式は上場REITに比べて流動性が著しく低く、変動する可能性があります。プライベート不動産はNFI-ODCEで表されており、運用手数料とアドバイザリー費用を除いたトータル・リターンを反映しています。グローバル上場リートは、MSCIグローバルREIT指数で表されています。米国株式はS&P 500指数のトータルリターン(配当金を含む)で表されます。グローバル株式はMSCI ACWI 指数で表されています。米国投資適格債はブルームバーグ米国総合債券指数で表されています。グローバル投資適格債はブルームバーグ・グローバル総合債券指数で表されています。
  14. 米国国勢調査局、2023年12月31日時点。電子商取引の成長は、2015年12月31日までの年から2023年12月31日までの1年間毎の電子商取引の売上高の増加を表しています。
  15. 「世界最大級の不動産の所有者」という表現は、2024年3月31日時点のリアル・キャピタル・アナリティクスによる推定市場価値に基づきます。
  16. グリーン・ストリート・アドバイザーズ、2023年12月31日時点。米国における現在の不動産取引の交渉・契約額を捉えるグリーンストリート不動産価格指数を基づいています。2008年1月1日から2023年12月31日までの不動産セクター別の変化率を反映しています。ショッピングセンターは道路沿いの小売店舗を指し、ホスピタリティは宿泊施設を指します。
  17. インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)、2021年12月31日時点。2021年から2024年の数値は年末の推定値です。